弱視の見え方と登山について
〜2003年 7月定例会より〜 森谷玲子
皆さん、こんにちは。弱視者の森谷です。「弱視者」と簡単に言ってしまいましたが
具体的な見え方が想像できましたか?弱視者の見え方は千差万別。説明が厄介な
時は「私は弱視です」と言ってとりあえず理解を得るようにしています。
それでは「私の場合」はどう見えるか。まず暗い場所は光っているものしか見えない
程度ですから濃い樹林帯や谷道の薄暗いところは苦手です。それから中心視力は
あるので大き目のくっきりした文字(20ポイント太字のゴシック)なら読めます。が、視
野が極端に狭いので自分で書いたメモでも1文字程度ずつしか見えません。
山行中お願いしたいのは、「サポート紐につかまっていないから一人で歩いてい
る」とは思わないでほしいということです。ほとんど前の人の靴を見て歩いているので
すから。川を渡った後や難所を越えたら少し待っていてください。言葉のサポートも
怠らないでください。上方はまったく見えていません。黄色いスパッツもとても見やす
いです。
「お願い」ばかりのわがままなやつと思われるでしょうが、心がけていることも多いの
ですよ。前もって作業手順を考えておけばもたつかずに行動できるし、一人でできる
工夫も考えています。小屋泊まりでは自分の道具の管理はなるたけ自分でしたいと
思います。トイレや水場の場所は早めに聞いておき明るいうちにできる用事を済ませ
ておきます。
例えばザックのつめ方。底に横向きにサポート紐と傘。次に着替えとタオル。(泊まり
ならヘッドランプとメガネも一緒に)次からは立てて雨具の上衣。雨具のズボンとザッ
クカバーとスパッツを一袋に。カップとスプーンなどと粉末飲料などを一袋に。水ボト
ル。テルモス。この5列の上に食料。重い物は上に、のルールには外れますがこの並
べ方だと取り出しやすいです。えらそうに言いましたが9年ほどの六つ星の山行で学
んだことです。
「白杖が入ってない」と思われた方もおありでしょう。私、白杖を持つのが今でもとて
も苦手です。山の帰りは夜道を山ステッキをつきながら帰ってしまうのです。白杖のあ
りがたさは充分わかっているのですが・・・。
これまでの話、そんなの違うよといわれる弱視の方もいらっしゃるでしょう。ですから、
「私の場合」を述べました。自分がうまくできる方法を見つけてください。サポーター
にもどうしてほしいかをはじめに言って置きましょう。「何でもおまかせ」はダメです。